ビジョンは必要か

会社にとってビジョンは必要でしょうか。
実際は会社ごとの考え方によるもので答えはないと思っています。
ただ「ビジョンとか言ってないでまず利益を出せ」という人も多い中で、
弊社はビジョンについて少し固執するぐらいこだわっている部分があるので、なぜそこまでこだわるかについて書こうと思います。

ビジョンを大切にする理由

弊社(BEC)ではメンバーが入ってくる度にビジョンについて議論する場を設けて、新たに始動するそのメンバーで同じ方向性が描けるビジョンを再考しています。
もちろん前提として現在のビジョンに合いそうな人を誘っています。
新しいメンバーが加わることで、その人ならではの意見も反映されてビジョン自体が精査されていくように感じていますし、ビジョンを再考することで、新しいメンバーも一丸となって達成したいと思える目標に向かうことができます。
ビジョンについて話し合う行為は時には数日要することもあります。
そこまでしてBECがビジョンを大切にするのには大きく4つの理由があります。

  • 自分がやっている事に納得感がもてる
  • 自走できる
  • 仕事がただのお金稼ぎではなくなる
  • 他のメンバーと相互に影響を与えあうことでモチベーションを高く保てる

自分がやっている事に納得感がもてる

ベンチャーでも大きい会社でも辛い時期や苦しい時期は必ずやってきます。その時に見据えられる目標として共感できるビジョンは非常に有効だと考えています。
共感できるビジョンがなく、やっていることに納得感を持てていない場合、自浄作用が働きづらいので、会社が気づいて対処することが求められます。

自走できる

弊社では一人一人の従業員にはなるべく自立して働いてもらいたいと考えています。
自分のことは自分が一番よく分かっているはずなので、働き方のコントロールを独自で行ってもらっています。
このために必要なのが、会社が決めた単一な評価で管理するのではなく、みんなが達成したいビジョン(未来像)に向けて動くことだと考えています。
ビジョンへの共感がないと、会社が決めた評価軸でその人を評価する必要がでてきて、結果として上司の顔を伺いながら働くという働き方になり、そのメンバーが自立して働くという事を阻害してしまいます。

仕事がただのお金稼ぎではなくなる

お金稼ぎが悪いことだとは思いませんし、むしろ「金稼ぎ=悪」という考え方自体はとても嫌いです。
ただお金を稼ぐためだけに人生の大部分を過ごし、それによりやりたくもないことをやるという事には反対です。
まず人生ありきで考え、それを満足するものにするためにやりたいことをやり、そのために必要であればお金を稼ぐというのが本来あるべき形なのではないでしょうか。
お金稼ぎ自体には全く反対しませんし、目標を持ったお金稼ぎはむしろ素晴らしいことだと思います。

他のメンバーと相互に影響を与えあうことでモチベーションを高く保てる

ビジョンに共感できているメンバーが集まっていると、お互いにワクワクする未来について話すことが増えます。それにより日々の業務が辛いものだとしてもモチベーションを高く保つことができます。
一方ビジョンに共感できていないと、一つ一つの決定事項に対しての納得感が薄れます。納得感ができないメンバーがいるとどうしてもその人のことが気になってしまい、気持ちよく納得感を持ったメンバーでドライブしていくことができません。

大学時代の経験

なぜ自分自身が納得感をもって一丸となっているチームが好きなのか思い返してみると、大学時代のアメフト部時代の経験によるものが大きいのかなと思います。
当時の部の目標は上のリーグへの昇格だったのですが、日々の練習がきつくて辞めてしまうメンバーもたくさんいました。
日々の練習に追われて当時は何も考えられずにいましたが、今となっては個性豊かなメンバーの長所を最大限いかせなかったことをとても反省しています。
当然学生なので、見返りとして賃金が支払われるわけでもなく、勝利のみが唯一の見返りとなります。勝利がしばらく遠のくとチームとしての仲間意識でかろうじてつながっているような状態になります。
一方で、絶対に負けられない試合ということで意識が統一できた時は、各選手が目標に向けて必死に頑張ってくれたので同じチームとは思えないようなパワーが発揮されていたように感じます。
納得感とはちょっと違うかもしれませんが、全員が何が何でも達成したい同じ目標を持つとチームは思いがけない力を発揮するんだなと感じる経験となりました。

達成したいビジョン

BECにはやりたいことに挑戦できる世の中にしようという創業当時からの想いがあります。そのために労働のあり方を変えていくという目標を見据えています。
それは雇用を前提とした労働ではなく、まずそれぞれの人生があり、その中で一人ではできないような成功体験を得るために同じビジョン(やりたいこと)を持ったメンバーと協力することで会社としても個人としても成功体験を得られるような未来像です。
メンバー一人一人が自分の能力を最大限発揮できる状態を作ることは突き詰めて考えると高い壁を乗り越えなければいけませんが、このビジョンを見据えてチーム一丸となれればこの壁も乗り越えられると信じています。